統合失調症は、思考や感情、行動を一つの目的に合わせてまとめる機能が、一時的に低下してしまう病気です。100人に1人弱がかかるとされており、決して珍しい病気ではありません。
かつては「治りにくい病気」というイメージを持たれていましたが、現在は優れたお薬の開発により、早期に適切な治療を開始することで、症状を安定させ、自分らしい社会生活や仕事を継続することが十分に可能です。

主な症状の現れ方

統合失調症の症状は、大きく分けて「陽性症状」と「陰性症状」の2つがあります。

陽性症状(本来はないものが現れる)

誰もいないのに声が聞こえる(幻聴)、誰かに監視されている・狙われていると思い込む(妄想)など、現実との接点を保つのが難しくなる状態です。

陰性症状(本来あるものが失われる)

喜怒哀楽の表現が乏しくなる、意欲がわかない、周囲との交流を避ける、集中力や判断力が低下するなどの状態です。

回復に向けた治療方針

治療の柱は、脳内の神経伝達物質(ドーパミンなど)のバランスを整える「薬物療法」と、社会復帰を支える「心理社会的療法」です。

薬物療法
幻聴や妄想などの激しい症状を抑え、再発を防ぐために、抗精神病薬を継続的に服用します。最近では副作用の少ないお薬や、月に1回の注射で効果が持続するタイプ(持効性注射剤)など、選択肢も広がっています。
心理社会的療法
症状が安定してきたら、病気への理解を深める「心理教育」や、対人関係のスキルを養う「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」を行い、円滑な社会復帰を目指します。