日常生活の中で、誰しも不安を感じることはあります。
しかし、「常に悪いことが起きるのではないかと心配でたまらない」「不安のせいで仕事や家事に集中できない」といった状態が長く続き、生活に支障が出ている場合は、心の病気としての「不安障害」かもしれません。
不安障害は、決して性格や気の持ちようのせいではありません。脳の神経系が過敏に反応している状態であり、適切な治療を受けることで、その過度な不安をコントロール可能な範囲へと和らげていくことができます。

全般不安症

不安障害とは、対象が限定されない広範な不安や心配が、長期間(6ヶ月以上が目安)にわたって持続する状態を指します。仕事、家族の健康、金銭面、将来のことなど、あらゆる事柄に対して「過剰な心配」をしてしまい、自分ではその不安を抑えることが難しくなります。

恐怖症

逃げ場所の少ない閉所への恐怖、鋭くとがったものを極度に避ける先端恐怖、ほか、いつ便意をもようすか怖くて街や駅のトイレの位置を確認していないと外出できない、など特定の対象に対して強度の不安と緊張を強いられたしまい、これらを回避するために膨大な時間やエネルギーを消費し、日常生活や仕事、学業にも影響が出ることがあります。

主な症状

不安障害は心だけでなく、身体にも多様なサインが現れるのが特徴です。

精神面の不調
常に緊張している、落ち着きがない、集中力の低下、イライラしやすい。
身体面の不調
筋肉の緊張(肩こり・頭痛)、震え、発汗、めまい、動悸、胃腸の不調。
睡眠の不調
不安で寝付けない、眠りが浅く途中で何度も目が覚める。

当院の治療方針

当院では、患者さまが抱える不安の背景を整理し、以下の方法を組み合わせて症状の緩和を目指します。

  1. お薬による治療 不安を和らげるために、抗不安薬や、脳内のセロトニンバランスを整えるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を使用することがあります。依存性や副作用に配慮しながら、最小限の量で効果が得られるよう調整いたします。
  2. 認知行動療法 「もし〜になったらどうしよう」という不安な考え(認知)の癖に気づき、より現実的で柔軟な捉え方ができるよう練習します。また、リラクゼーション法(腹式呼吸や筋弛緩法)を習得し、身体の緊張を自分で解くスキルを身につけていただきます。
  3. 生活環境の調整 過度なカフェイン摂取の制限や、睡眠リズムの確保など、不安を増幅させないための生活習慣のアドバイスを行います。